息栖(いきす)神社は、茨城県神栖市にある東国三社の一社です。
鹿島神宮、香取神宮とあわせて古くから信仰を集めてきた神社で、東国三社の一社として知られています。
ご祭神は、道と境を守る神として知られる久那戸神(クナドノカミ)です。また、常陸利根川沿いには日本三霊泉の一つに数えられる忍潮井(おしおい)があり、息栖神社を代表する見どころの一つです。
初めて参拝する方の中には、
・息栖神社はなんの神様を祀っているの?
・どんなご利益があるの?
・忍潮井とは何なの?
・名物や近くの食事処は?
と気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、息栖神社の基本情報をはじめ、久那戸神と忍潮井の関係、ご利益、主な見どころ、御朱印、お守り、交通アクセスまで、わかりやすくご紹介します。
目次
息栖神社の基本情報
息栖神社は、2000年以上の歴史をもつ由緒ある神社と伝えられています。弘化四年(1847年)の建築と伝わる神門、常陸利根川沿いの一之鳥居と忍潮井、二之鳥居から社殿までの見どころを順にたどりながら参拝できます。
>>息栖神社[公式サイト]https://ikisujinja.com/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 神社名 | 息栖神社 |
| 所在地 | 茨城県神栖市息栖2882 |
| 位置づけ | 東国三社の一社 |
| 主祭神 | 久那戸神 |
| 相殿神 | 天鳥船神、住吉三神 |
| 主なご利益 | 交通守護、旅行安全、道開き、開運招福、厄除けなど |
| 主な見どころ | ①一之鳥居と忍潮井 ②二之鳥居と弘化四年の神門 ③みや桜のある参道 ④力石と芭蕉の句碑 ⑤最強パワースポット招霊の木 ⑥社殿(拝殿と本殿) ⑦樹齢約千年の夫婦杉 |
| 参拝の目安 | 30分〜60分ほど |
息栖神社の主祭神は久那戸神
息栖神社の主祭神は、久那戸神(クナドノカミ)です。
そのため息栖神社は道中の安全、旅立ち、移動、人生の節目を守る神社としても親しまれてきました。
久那戸神は「道と境」を守る神
古代の人々にとって、道の分かれ目や村の入口、井戸や水辺は、外から何かが入ってくる境目でもありました。そうした場所で災いを防ぎ、内側の暮らしを守る神として信仰されたのが久那戸神です。息栖神社にお参りすると、鹿島神宮や香取神宮のような武神の力強さとは少し違う、暮らしに寄り添うような守りの気配を感じやすいのは、久那戸神の神格によるものでしょう。
久那戸神と井戸の信仰
久那戸神は、別名を岐神(クナドノカミ)ともいいます。そして息栖神社では、その「境を守る神」という性格が、忍潮井の信仰と強く結びついています。
井戸は地下の水脈と地上をつなぐ場所であり、古くは異界との境目のようにも考えられてきました。そのため、境を守る久那戸神が、井戸の神としても信仰されるようになったと考えられます。
息栖神社では、忍潮井は単なる名水ではなく、久那戸神の神威が宿る特別な泉として大切にされてきました。
久那戸神と東国三社のつながり
息栖神社は、鹿島神宮、香取神宮とともに東国三社の一社として知られています。鹿島神宮の武甕槌大神(タケミカヅチノオオカミ)、香取神宮の経津主大神(フツヌシノオオカミ)が武神としてよく知られるのに対し、息栖神社では、久那戸神という土地と境を守る神が祀られています。
また、相殿神には天鳥船神(アメノトリフネノカミ)と住吉三神(スミヨシサンシン)も祀られています。天鳥船神は国譲り神話で先導役を担った神として知られ、住吉三神は海の安全や航海守護で知られる神々です。
住吉三神とは伊邪那岐命(イザナギノミコト)が黄泉の国から戻り、禊(みそぎ)を行った際に水の中から生まれた三柱の神々です。ここでも水の境ということが関係しています。
- 底筒男命(ソコツツノオノミコト):海の底を司る神
- 中筒男命(ナカツツノオノミコト):海の中ほどを司る神
- 表筒男命(ウワツツノオノミコト):海の表面(水面)を司る神
忍潮井と瓶伝説
息栖神社を語るうえで、絶対に外せないのが忍潮井(おしおい)です。忍潮井は、常陸利根川沿いの一之鳥居の両脇にある二つの井戸で、日本三霊泉の一つに数えられています。
- 山城国の直井(京都)
- 伊勢国の明星井(三重)
- 常陸国の忍潮井(茨城)
この二つの井戸の中には、男瓶(おがめ)と女瓶(めがめ)が沈んでいると伝えられています。
水が特に澄んだ時だけその姿が見えるとされ、見えた人には幸運が訪れるという言い伝えがあります。
男瓶と女瓶(イメージ)
さらに、息栖神社が現在の地へ遷座した際、旧社地の日川(ひかわ)に残された男瓶と女瓶が、神社を慕って自ら川を遡り、今の場所まで移ってきたという瓶伝説も残っています。
この話からも、忍潮井が神社と深く結びついた場所として受け止められてきたことがわかります。
また、昔は女瓶の水を男性が、男瓶の水を女性が飲むと結ばれるという縁結びの言い伝えもありました(現在は忍潮井の水を直接飲むことはできません)。
息栖神社のご利益は厄除けと交通守護
息栖神社は、厄除けと交通守護で特によく知られています。久那戸神が道と境を守る神であること、天鳥船神が移動や先導と結びつく神であることから、災いを防ぎ、安全に道を進む力を授かる神社として信仰されてきました。
鹿島神宮が勝利祈願、香取神宮が勝運と交通安全で知られるのに対し、息栖神社は厄除けや交通守護、道開きといった、日々の暮らしに近い願いごとで参拝しやすい神社です。
息栖神社がパワースポットといわれる3つの理由
息栖神社がパワースポットといわれるのは、単に静かな古社だからではありません。① 東国三社の一社として信仰を集めてきたこと
息栖神社は鹿島神宮、香取神宮とともに東国三社を形づくっています。三社を線で結ぶと二等辺三角形になります。東国三社は、国譲り神話で深く結びつく神々を祀る三社であり、江戸時代には伊勢参りの後に巡る「下三宮参り」としても親しまれてきました。
天鳥船神に乗り、出雲に向かう武甕槌大神と経津主大神
② 日本三霊泉「忍潮井」の存在
息栖神社ならではの大きな特徴が、日本三霊泉の一つとされる忍潮井です。一之鳥居のそばにある二つの井戸は、海だった頃から潮を押しのけて清水が湧き続けてきたと伝えられ、男瓶・女瓶の伝説も残っています。
③ 東国三社の配置と息栖神社ならではの特別さ
東国三社を地図上で結ぶと二等辺三角形をなすことや、香取神宮の真東に息栖神社が位置することも、神秘的な配置として語られてきました。こうした地理的な結びつきも、三社を巡る信仰に特別な意味を与えています。私見を交えて言えば、息栖神社のパワースポット性は、派手な力強さというより、忍潮井の清水、一之鳥居、東国三社の信仰が重なって生まれる、静かで澄んだ特別さにあるのだと思います。
しかし、鹿島神宮や香取神宮とはまた違う、水と道の神秘性を感じやすい場所です。
息栖神社の見どころ7選
息栖神社には静かな境内の中に、参道に沿って見どころが並んでいます。初めて参拝する方は、次の7か所を意識して見ると、息栖神社らしさがつかみやすくなります。
① 一之鳥居と忍潮井
一之鳥居の左右に二つの鳥居があります(左:女瓶、右:男瓶)
常陸利根川沿いに立つ一之鳥居の両脇には、二つの水中の鳥居が独特の景色になっています。男瓶と女瓶の伝説が残る忍潮井は、息栖神社を代表する見どころであり、ほかの神社ではあまり見られません。
また、忍潮井は社殿の近くではなく、少し離れた川沿いにあります。参拝の前後どちらで立ち寄るか、混雑状況によって決めると良いでしょう。
女瓶(魚が泳いでいます)
男瓶(魚が泳いでいます)
② 二之鳥居と弘化四年の神門
境内へ向かう途中で、はじめに目に入るのが、一直線に並んだ二之鳥居と神門です。神門は弘化四年(1847年)の建築と伝えられています。
③ みや桜のある参道
神門をくぐると、参道が社殿まで続きます。この参道には、昭和5年(1930年)に三笠宮崇仁親王が参拝された記念として植えられたみや桜をはじめ、力石と芭蕉の句碑、招霊(おがたま)の木、さざれ石、息栖神社ゆかりの歌碑など、いくつもの見どころがあります。
左の特徴のある木がみや桜
④ 力石と芭蕉の句碑
参道横で目を留めたいのが、力石と芭蕉の句碑です。力石とは、春秋の祭りや夏の昼休みに若者たちが力競べに使った石のことです。手ごろな石で体力を競い、最後に最も大きく重い石を差し上げた者が力の王者として栄誉を受けた名残と伝えられています。
いまでは単なる石ではなく、祖先たちの青春や熱気を伝える遺物の一つとして残されています。
この里は 気吹戸主の 風寒し
水郷の地にたたずむ息栖神社の空気や、久那戸神を祀る土地の張りつめた気配を感じさせる句として親しまれています。
※気吹戸主=久那戸神
⑤ 最強パワースポット招霊の木
境内の中でも特にパワースポットとして親しまれているのが、招霊(おがたま)の木です。招霊の木は、幸運を招く木として知られています。参道沿いの樹木の中でも名前と由緒がはっきりしており、息栖神社を代表する樹木の一つです。
また、一円硬貨の裏に描かれているのが招霊の木です。
⑥ 社殿(拝殿と本殿)
参道の先にあるのが、息栖神社の社殿です。現在の社殿は、昭和35年(1960年)の火災で焼失した後、昭和38年(1963年)に再建されたものです。
拝殿・幣殿・本殿が一体となった造りで、白を基調とした社殿が今の息栖神社の中心になっています。
⑦ 樹齢約千年の夫婦杉
境内のご神木として知られるのが、樹齢約千年の夫婦杉です。夫婦杉は、境内でもひときわ目を引く大木です。樹齢約千年と伝えられ、息栖神社の長い歴史を今に伝えるご神木として親しまれています。
息栖神社の御朱印
受付時間は午前9時から午後4時までです。
息栖神社で受けたい主なお守り
東国三社守
- 東国三社守
鹿島神宮・香取神宮・息栖神社の三社巡りでそろえて完成させるお守りです。東国三社参りの記念として、まず受けたい授与品です(写真上)。 - 御守護守
日々の災い除けや身の守りを願う方に向いています。久那戸神の「境を守る神」という神格とも重ねて受けやすいお守りです。 - 錦袋 厄除御守
厄除けを願う方が受けたい定番のお守り。息栖神社のご利益をそのまま形にした授与品として選びやすいです。 - 交通安全守 巴
車での移動や日々の運転の無事を願う方に向いています。交通守護のご神徳を意識して受けたい方に合います。 - 交通安全守 花
交通安全のお守りの中でも、やわらかな意匠で持ちやすい授与品です。家族用や贈り物にも選びやすいです。 - 交通安全 肌守
小さく身につけやすい交通安全のお守りです。普段から持ち歩きたい方に向いています。 - 交通安全 木札タイプ
車内に置きやすい木札型の交通安全守。車で参拝する方には特に受けやすい授与品です。
息栖神社周辺の食事処とお土産
ゆうひ食堂(息栖にぎわいテラス)
鹿島神宮や香取神宮のような大きな門前町はありませんが、少し歩くだけで、食事や買い物ができるお店があります。
- ゆうひ食堂(息栖にぎわいテラス)
神栖市の食材を使った和食が楽しめる食事処です。常陸秋そばや神栖メンチなど、地元らしさを感じるメニューを選びやすいです(一之鳥居・女瓶の道路の反対側です)。 - 杜の栖(もりのすみか)
安納芋を使った自慢の鯛焼き専門店。パリッと香ばしい薄皮鯛焼きや、サクサク食感のクロワッサン鯛焼きがあります(二之鳥居に向かって左へ徒歩約1分弱)。 - 道の駅いたこ
茨城県産の米粉を使った「虹どら」など、潮来らしいお土産を探しやすいスポットです。地元野菜や加工品もそろうので、参拝帰りの買い物にも便利です(息栖神社から車で約13分)。 - 海老の大きい店 そば処 砂場
大きな海老天が名物のそば処で、しっかり食事をしたい方に向いています。和食メニューが豊富なので、家族連れやグループでも使いやすいお店です(息栖神社から車で約14分)。 - ワーズワース神栖店
パスタや西洋料理を楽しめる、神栖エリアの洋食店です。和食以外を選びたいときにも立ち寄りやすい店です(息栖神社から車で約11分)。
鯛焼き専門店 杜の栖(もりのすみか)
息栖神社へのアクセス
息栖神社へは、車でも公共交通機関でも向かうことができます。- 車で行く場合
東関東自動車道・潮来ICから約15分、佐原・香取ICから約20分ほどです。 - 高速バスで行く場合
東京駅八重洲南口から高速バス「かしま号」を利用し、「アートホテル鹿島セントラル」で下車、その後はタクシー利用がわかりやすい方法です。 - 電車で行く場合
JR成田線小見川駅からタクシー利用が便利です。 - 駐車場
普通車50台、大型バス4台の駐車場があります。
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東国三社を線で結ぶと、二等辺三角形になります。
息栖神社に関する5つのQA
Q1. 息栖神社はなんの神様ですか?
息栖神社の主祭神は久那戸神です。道や境を守り、災いを防ぐ神として知られています。あわせて相殿に天鳥船神、住吉三神が祀られています。Q2. 息栖神社のご利益は何ですか?
厄除け、交通守護、旅行安全、道開き、開運招福などで知られています。移動や人生の節目を守る神社として信仰されています。Q3. 忍潮井はどこにありますか?
常陸利根川沿い、一之鳥居の両脇にある二つの井戸です。社殿の近くではないため、二之鳥居から見える場所にあると意識しておくとわかりやすいです。
二之鳥居から見える一之鳥居
Q4. 息栖神社はパワースポットといわれるのはなぜですか?
東国三社の一社という格式に加え、忍潮井の霊泉、水中の鳥居、参道沿いの樹木や御神木(夫婦杉)などが重なり、息栖神社ならではの特徴をつくっているためです。Q5. 息栖神社の御朱印は何時まで受けられますか?
御朱印受付時間は午前9時から午後4時までです。社務所は午前8時30分から午後4時まで開いています。まとめ:息栖神社とは
息栖神社は、東国三社の一社として古くから信仰を集めてきた神社です。主祭神の久那戸神は、道と境を守る神として知られ、息栖神社は厄除け、交通守護、旅行安全、道開きの神社として親しまれてきました。
相殿の天鳥船神、住吉三神とあわせて見ると、水や交通とも深く結びついた神社であることがわかります。
そして、息栖神社を語るうえで外せないのが忍潮井です。日本三霊泉の一つに数えられる二つの井戸と男瓶・女瓶の伝説は、息栖神社ならではの大きな見どころになっています。
東国三社巡りの一社として訪れるのはもちろん、息栖神社単体でも、久那戸神の神格や忍潮井の神秘、境内の見どころをたどりながら参拝する価値のある神社です。
東国三社をまとめて巡りたい方は、次のバスツアーも参考になります。
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※当記事の内容は個人の感想を含み、諸説ある話の1つを基に作成されているため客観的な事実を表すものではありません。 また、特定の説を支持したり、異なる説を否定したりするものではないことをご了承ください。 なお、内容についてのご質問はお受けいたしかねます。








この記事を書いた人
リョウさん
2007年頃から、年に2〜3回趣味で日帰りバスツアーに参加していました。
当初ははとバスをメインに、読売旅行、クラブツーリズムなどを利用していました。
2017年頃から神社に興味を持つようになり、四季の旅のツアーに参加するようになりました。
基本、月一同行取材に参加しています。
お気づきの方は、お気軽にお声をかけてください。
どうぞ、よろしくお願いいたします。